俺様魔王の甘い口づけ
城案内、といってもルイが進んで案内してくれるはずもなく。
強引に引きつれる感じで城の中を歩く。
仏頂面のルイ。
少しは笑ったらどうなのか。
「ねえ、こっちは?」
「…そっちには何もない」
「なにもないことはないでしょう」
「ただ部屋があるだけだ」
私の部屋がある一つ下の階。
そこにも同じように部屋があるだけのよう。
その階は諦めて、上に登っていく。
私の部屋を越したその上の階。
「ここは?」
「…本が置いてある」
「図書館みたいなところ?入ってもいい?」
「…勝手にしろ」
ルイは、私に苦言を言うこともせず、私のなすがままにしてくれている。
もう諦めたんだろうか。
私はこれまた大きな豪勢な扉を押して中にはいる。
中に広がるのは、高い天井の上までびっしり本が詰め込まれた本棚。
まるで学校の教室一部屋ぐらいの広さの中に天井までの高さの本棚が縦に4つ並べられ、すべてに隙間なく本が並べられている。
真ん中のスペースは広く確保され机と椅子、ソファや大きな窓に面したカウンター席など好きな所で読書が楽しめるようになっている。
本当に、まるで図書館。
「すごーい!」
目をキラキラさせ部屋の中をぐるっと見回す。
どこを見ても、本、本、本!