激愛
「まあいいわ・・・・とにかく座って」



「あ、はい・・・」




あたしは窓際の席に座る響子さんの前にゆっくりと座った



傍らにはお目付け役の響子さんの執事、田所さんが傍に付いている




この人は響子さんの子供の頃から一緒に付いている人で学校の送り迎えから雑務全般




なんでもこなす切れ者と異名高い人物、田所さんの両親も松上商事でお世話になったらしいと聞いている




実はあたしの父親も何を隠そう響子さんの系列の子会社の社長をしているから同じと言えば同じ




響子さんとは何年か前のパーティーで逢い紹介されたことがきっかけで知り合った




その頃から響子さんの美貌は鳴り響いていた、群を抜いていた




美人だなってのが第一印象だったけど・・・・とにかくまあお姫様なんだよね~




我が儘で自己中心的で負けず嫌いなお姫様




自分が一番じゃないと気に入らないらしくその頃から響子さんに関わって蹴落とされてきた人間をあたしは何人も見てきた




成績も常にトップクラス・・・・もちろん美貌も




響子さんの通う高校で成績トップの座を奪われた時は一位だった女生徒をあることない事噂を広め退学に追いやったことはあたししか知らない事実





そんな響子さんの次の餌食になる女は一体誰なんだろうと運ばれてきたアイスコーヒーを飲みながら考えていた
















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