激愛
「ふっ・・・・まあ春姫の顔見たら何で心を乱してるのか位想像がつくけど?」



「きょ・・響子さん、心を乱すってあたしはそんな・・・」




「隠そうとしても無駄よ、あたしを見くびってもらっちゃ困るわ誰だと思ってる訳?」



響子さんはそう答えるとちらりとあたしのほうを一瞥した



都内でも有数のお金持ちしか行かないお嬢様学校に通う響子さん



執事を傍らに控えさせ紅茶を目の前で飲む姿はまさにお姫様、いや女王様だろう




でも響子さんはあたしが翼の女になるためにどれだけ努力をしたのかを知っている



どれだけ愛していて・・・・どれだけ愛おしく思っているのかも




だけど響子さんにはあたしの気持ちはわからないだろう




響子さんは一人の男に心を寄せることなんてあるんだろうか




黙っていても男を引き寄せてやまない響子さん




この人には翼の心からの笑顔を自分に向けて欲しいというあたしの気持ちはわからない




でも、心から愛するひとが響子さんに出来た時この人はどうなるんだろう




一心不乱に追いかけるのは目に見えてる・・・・そんなことを思うと一瞬恐くなった
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