激愛
「すごい・・・・綺麗」



ため息交じりに呟くあたしに満足そうに微笑む目の前の彼



あたしと龍さんは森田財閥が経営するホテルの最上階、VIPルームと呼ばれるところで食事をしている



引きずられるように連れて来られたこのホテル、かなりの高級なホテルに流石のあたしも緊張感が漲る



そんなあたしが龍さんに手を引かれ放り込まれたのはまさかのブティックで・・・色とりどりのドレスに目移りするあたし



明らかに高級そうな店内にはこれまた綺麗なお姉さま方が・・・



でも龍さんは臆することなくちらりと店内を一瞥すると店員に思わぬことを告げた



「こいつに似合いそうなドレス適当に見繕ってくんねえかな?ヘアメイクも頼む・・・」




「これはこれは龍一さまご無沙汰いたしております承りました、何かドレスのご希望とかはございますか」




「まあ・・・わかんねえから適当に何着か持ってきて」




そう告げるやいなや何人かの店員が奥から何着ものドレスを手に持ってくる



それからは大変・・・・まるであたしは着せ替え人形




ああでもないこうでもない、露出が多い・・・丈が短い




ねえねえ・・・あたしの意見は?まるで無視なの?






心の中の呟きも空しくドレスが決定した時にはかなり疲労困憊のあたしだった
< 515 / 538 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop