彼と私の問題点を考える
すっかり美月につきっきりだったから、綾瀬くんのこと全然気にしてあげられなかったことを思い出して彼の問題集を覗き見る。


「い、いえ、俺は勝手に来ただけですし、気にしないでください!」


すぐにその問題集を強引に閉じると、そのまま鞄に慌てて突っ込む。


「そうだよ。優斗なんて勉強する必要ないし。涼ちゃんが気にすることないよ」


「必要ない?なんで?」


「だってコイツー…むぐっ」


「美月、口にお菓子のクズがついてる」


「っ、んなわけないだろ!俺お菓子食べてねーんだから!」


「あ、あの、広瀬さん」


私がいるのを忘れてか、すっかり男子高校生のノリで騒ぎ出した彼らを横目に自分の荷物をまとめていると、綾瀬くんがピタリとその動きを止めてまっすぐと私を見つめる。


曇りのない、綺麗な黒い瞳。


「次は俺にも勉強教えて頂けませんか」


少しだけ頬を赤らめて言った彼のセリフは少しだけ震えていた。


「なんで私?別に学校で教わればー…」


「俺が、また広瀬さんと会いたいんです」


「……は?」


「ダメ…ですか?」


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