蒼風
「おらおら。抵抗してみろよ。」


「はっ。くたばってやがるぜ。」


細い路地の方から怪しい会話が聞こえた。


なにか嫌な予感がする。


こっそりと路地の入り口に近づく。


「はっ。俺たちにかなうとでも思ったのか。」


「ふん。仲間を傷つけた罰だぜ。」


なんと男2人でちいさな女の子に暴力を振るっていた。


助けなきゃ。


このままにしておいたら女の子、殺されるかもしれない。


それほどまでに女の子は弱っていた。


『何してるのかな?』


そう言って路地に入る。


「誰だてめぇ。」


男がこちらを向く。


『格好をみてもわからない?』


あたし今、新選組の格好なんだけどなぁ。


「は。新選組じゃねぇか。」


舐めたように言ってきた。


『知ってるようで、よかったよ。で、あんたら今何してたの?』


「は?こいつが俺らの仲間に怪我させたから、罪償わせてるの。」


「そーそー。おたくには関係ないし、関わらないでくれるかな。」


『いやだね。こんなちっさな子虐めてるのを放っておけるわけがない。』


「へぇ。そっちがその気なら、俺らも戦うぜ?」


そう言って剣を振ってきたので、受け身をとって峰打をする。


‥‥‥‥。


弱。


弱すぎんだろ。


あっけない。


一発で倒れてしまった。


< 57 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop