蒼風
『ねぇ。君、大丈夫?』


女の子に向かって声をかける。


「うう‥。」


痛そうに呻いたかと思うと‥。


「はっ!?人間‥。」


あたしを見るなり慌てて離れた。


『大丈夫?さっきのやつらなら倒したけど‥。』


「人間に助けられたなんて。」


さっきからこちらに気を許さない、女の子。


人間人間って君も人間でしょ?


『ひどい怪我だからさ、とにかく手当てしよう?』


「嫌だ。絶対についていくもんか。」


なんだろう。


この子からすっごく警戒されてるんだけど。


しかし、いきなり


バタッと女の子は気を失って倒れた。


あぁぁ。


やっぱり大丈夫じゃなかったんだ。


屯所に連れて帰ってもいいかな。


いいよね‥。


ひどい怪我だし。


まぁ、そこに伸びてる浪士は放置でいいか。


新選組の害になるわけじゃないし。
< 58 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop