トライアングル a white time
何よぉ。


まだイジメ足りないっていうのぉ……? この二人。


さっきまでイイ女に向かっていた筈の私は、一気に、暗いイジメられっ子へと巻き戻しされていく。


暗くて、辛い……。



「あっれぇ~。お前、髪ほどいてるとイメージ変わるじゃん」


「え」



にへにへと上から全身に視線を流され。







「かっわイイ」



……は?



「なぁ、矢島。可愛いよなぁ」



コジマがヤジマに言う。



「おぉ。い~ね、マジ可愛いんじゃね?」



ヤジマがコジマに答える。


「……あの?」



児島が私の周りをぐるぐる回り「可愛い」を連呼して。


矢島が携帯を取り出し「番号教えて」だの「今、暇? 俺は暇」……だの。



……。



只のナンパ野郎になっている。


その後も暫く。


矢島、児島、矢島、児島、やじまこじまヤジマコジマ――――……。



勝った方に景品でも出るのかというくらい、順番に褒め称えられた。



「まっじ可愛い~」


「……」









マジ気持ち悪い。


< 6 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop