それが愛ならかまわない
「こんなのしかないけど良かったら」
「お互いお疲れ様」と言って缶を打ち合わせ、プルトップを開けて口をつける。疲れて気怠くなっている身体に喉を滑り落ちていく冷たさと苦味と刺激が心地良くて、一缶をひと息に飲み干した。アルコールを受け入れた胃がパッと熱くなる。妙に喉が乾いていたのは緊張のせいもあるんだろうか。
「あれ、飲まないの?」
観察でもするかのように無言のままこちらを眺めている椎名に訊ねる。
私が缶を空にしてしまっても、椎名の手の中にあるもう一本は開ける事さえされないままだった。
「……先、顔洗ってくれば。あとシャワー」
「え?」
「酷いことになってる」
とんとんと指で椎名が自分の眼を指し示す。
「は?!」