それが愛ならかまわない

 咄嗟に外交モードになって愛想笑いが浮かぶ。
 椎名が白けた眼で見ているのが気になったけれど、性分なんだから仕方ない。


「冷めない内に食べて。昼はこれしかないけどうちの裏看板メニューだから」


「はい、頂きます」


 カレーを口に運ぶと最初に感じるフルーティーな甘さの後にしっかりした辛さが追いかけてくる。ひき肉以外に目に見える具材はないけれど、スパイスと同時に色々な野菜が溶けているコクのある風味がした。
 特に期待はしていなかったけれど、美味しい。


「美味しい!」


「良かった。どうぞごゆっくり」


 私の反応を確認して満足そうに矢吹さんはカウンターの向こうへと戻っていった。


「こんな所に美味しいカレーが食べられる店があるなんて知らなかった」


「地味な店だもんな」


「そんな事ない、雰囲気いいし」

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