それが愛ならかまわない
「疑り深いな。ここで俺が嘘ついて何の得があるんだ」
「絶対に?」
「だから……何、会社にチクって欲しいわけ?それなら、」
「違う違う!だって今言ってたみたいに黙ってようが告げ口しようが椎名君には何の義理も得もないわけだし」
こっちは人生かかってるのに。本気で否定してくれなくちゃ安心なんて出来ない。この先ずっとバラされるかもしれないという可能性に怯えてなんていたくない。
「メリットもないのに黙っててなんて頼むのは虫が良すぎるかもって……」
「あんたの周りには損得勘定で動く奴しかいないのかよ」
「……」
椎名が呆れた様子でため息をついた。図星をさされて私は押し黙る。
どうせ友達少ないですよ。類は友を呼ぶのかその希少な友人も割とドライなタイプしかいないし。会社の同期や周辺部署の女子社員との当たり障りのない付き合いはあるけれど、友人と呼べる程じゃない。