それが愛ならかまわない
「すみません、ご迷惑おかけします」
本音を言うと昼は簡単に済ませて仕事の続きをしたかった。でも頭を下げられると無下に断るわけにもいかない。
「構わないですよ、私で良かったら一緒に行きましょう」
頭痛は治まっていたので、今度はすんなりと営業スマイルが出せた。
同じフロアで同じ案件の仕事をするなら人間関係はよくしておくに越したことはない。私だってこれ以上女子に敵を増やしたいわけじゃないのだ。
うちの会社の食堂は私の部署が入っている棟の三階にある。シンプルな白い机と椅子がひたすら並んでいるだけの殺風景な食堂だ。便利が良いのと安いというのが売りなだけで、決して味が良いわけでもメニューが豊富なわけでももちろんお洒落なわけでもない。
「お弁当を持って来て食堂で食べる事も出来るよ。あとはフロアのミーティングスペースとか普通に自席で食べてる人もいる。時間内に戻って来るなら外に食べにも行けるし、コンビニも移動のお弁当屋さんもたくさんあるから選択肢は結構豊富かな」
食堂までの道すがら、歳を訊いたら私より二つ年下の二十四歳だった。初々しい雰囲気だけれどやっぱり新人というわけではない。