風が、吹いた




きらきらと雪が舞う中で、



彼の言ってくれた言葉は






―好きだよ、千晶






雪じゃなかった筈なのに。







涙が、溢れて、溢れて、溢れる。





「ど…して…」






口からは、同じ言葉が繰り返される。







―もうすぐ春だから、









雪は溶けてしまうんだね。









だけど、









桜の花は、




まだ、




咲かない。

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