☆Friend&ship☆ -序章-

◇翌日 AM9:30◇

___ドンドンドンドン…

「…」

___メシメシメシ…

「…」

___ギーッギーッギーッ…

「…駄目だ。」

壊滅寸前のダブルベッドを見つめタナトスはため息をついた。

「…」

いや、つきたいような心境だと思う。

いまだ起きないゼウスの体を揺さぶり続けて一時間半。

タナトスによって木枠はボロボロ、塗装は剥がれ、床に固定するはずの留め具ももはや役目を放棄した。

一体どんな怪力なのか。←←

「…」

残骸と化したベッドに腰掛けてタナトスは仰向けに倒れた。

「…」

青い空を見上げて、願うことはただひとつ__

「…今日一日、何事もなく過ごせますように。
"クラウン"が無茶しませんように。
誰にも迷惑かけませんように。
それから、アクアが…」

見かけによらずやたら願い事ばかりのタナトス。

よく言えば心配性、または苦労人。

悪く言えば欲深い、煩悩ばかり。

どちらともとれない無表情でタナトスは青い空を見つめるのでした。



「…早く"クラウン"が起きますように」

AM10:00願い事、終了。

and

___ガタガタガタガタガタガタ…

ゼウス起こし再開。
< 100 / 160 >

この作品をシェア

pagetop