☆Friend&ship☆ -序章-
「…ってか、副船長ボードあるんすか」

「…ああ。レンタルだと迷惑がかかる」

そういいながらツウと板のエッジを撫でた。


漆黒の美しい表面には赤い蝶が舞っていて。

裏にはオーロラ色で"Fly"の文字。

「副船長、蝶好きなんですか?」

「いや、別に。お前に合うとゼウスが買ってきた」

「へえ…」

サイドバックは白に赤黒い色のグラデーション。

最も目を引くのはやっぱりそのエッジの色だった。

「…でも、不気味っすよね」

鮮血を吸ったように赤い。紅い。

デッキパッドは旗の模様を描いたみたいな三角2つ。

「そのウェアも船長が買ってきたんですか?」

「…ああ。珍しいだろう」

コートのような型で腰の辺りをベルトで固定している。

広がった裾は踝辺りまであって。

色は黒の下地に魅惑的な紫と黒。

ブーツは黒に底だけカラフルなストライプ。

手袋はいつもの革製の黒。

「…なんか、住む世界が…遠い…」

「船長が子供っぽいぶん副船長が大人なんですかね」

「ふっ…そう思うか。ついたぞ」

「「「「あ。」」」」


数人が入り口のゲートに激突する。

数人は段差につまずく。

数人とスティラはスリップ。

残りは慌てて歩みを止めた。

「「「副船長ぉぉぉぉ!!!」」」

絶叫に似た声がやまびこにより反響された。

「…面白い。お前ら、俺の玩具にしてやる」

「「丁重にお断りさせて頂きます」」」

そしてブラックすぎる我らが副船長の発言に心から拒否したのでした。
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