☆Friend&ship☆ -序章-
「タナトス~!!」
「…あきねぇなよくも」
「「(来た、子供な船長)」」
「なぁなぁ、リフト乗ろうぜリフト!!」
「可愛い女の子ならいくらでもいるが。何故お前は俺の腕を引いている」
「死にたい?」
「会話の関連性がないな相変わらず」
積もった雪より冷たく言い渡されてへこむかと思いきや、もう慣れたとばかりにゼウスはキラキラと瞳を輝かせよし行こうとぐいぐいタナトスの腕を引く。
「券を買え。非常識人」
「よっ!ねぇさん、俺たち顔パス☆」
「おいこらよせ馬鹿」
「俺傷つくよ」
「話し方が変わってるぞ。止めろチャラい」
「いいよな?入っても?」
「券買えアホ。どこまでお前は迷惑をかける気だ」
片腕をがっちりホールドされたまま乗り場まで一直線に来たタナトス。
せっせと歩くゼウスに一発蹴りを入れた。
「あ、はいどうぞ…」
「さんきゅ☆」
「容姿を悪用するな。そしてウザい。永遠に黙れ」
赤くなった受け付け係にパチン、とウィンクを返したゼウスにタナトスは暴言を吐いた。
「今の俺の心に勝てると思うな!!(ドヤァ」
「…よし。俺が負けたから券を買え」
「何でそこにこだわるんだよ。いいじゃん別に」
「良くない。公共のルールは守るべきだ」
「分かったってはいはい。じゃ、買ってくるから待ってろよ」
「…ああ」
___素直におつかいに行ったんだ。あのくらいは大目に見てやったほうがいいのか…
母親さながらの悩みを抱えたタナトスの目線の先には、チケットを買った、というか料金を払わずに貰って来たゼウスの笑顔があった。
「…よし、いい子だ」
「じゃあ一緒に乗ってくれるよな!?」
「知らねぇぞ俺は」
ふう、と白い息を吐いてタナトスはさりげなくしっかりとコートをつかんでいたゼウスの手を引きはがした。