☆Friend&ship☆ -序章-
酷い高熱にうなされるヘルメスの傍らにゼウスはずっといた。
キングは諭すことはしたが止めはしなかった。
絶対にヘルメスの側を離れず、眠るときも座ったまま。
ひどいときは徹夜の時もあった。
「だいぶ落ち着いてきたじゃねえか?」
「うん…だいぶ…ね…」
「無理すんなよ。お前まで倒れられちゃ困る」
「わかってるって…」
うつーらうつーらしているゼウスの目の下にはくっきりと隈ができていた。
「あーあ、お前の顔見たらヘルメス悲しむぞ」
「何で」
「結構仲間思いなんだから」
「…知ってる」
りんごのように赤くなった頬は熱を持っていた。
だいぶさがったにしろ額は熱い。
ゼウスはヘルメスの頭に巻いたバンドの温度を調節してグッショリと濡れたシーツをかえにかかった。
「恋でもしたか?」
「…わかんね」
一旦動かして手早く乾かすとまたひいてそのうえにヘルメスを寝かせた。
「包帯も変えとけ」
「すごい抵抗ある」
「はいはい、でも体ふけよ。いつか一人でやるんだからな」
「不吉」
「馬鹿言え、俺も長くない。数年しかもたねえよ」
ため息をはいてゼウスは包帯をときだした。