☆Friend&ship☆ -序章-
「痛い」
「頼むからおとなしくしてくれって」
「痛い」
「なあ、ヘルメス」
「痛い」
「俺心配なの。お前のこと」
「痛い」
「嘘つけ」
「嘘じゃない」
「じゃ、もうちょい締めるな?」
「腕、血止まる…」
「大丈夫だって」
拘束機で締め付けられて無表情のままヘルメスは呻いた。
チラチラデータを見ているところを見ると大丈夫そうだが、痛いものは痛い。
「痛い」
「逃げないならいいけどよ」
「…」
くい、と顔を背けてしまったヘルメスを見てイーリスがクスリとわらった。
「子供みたい」
「当たり前だろ?たーった十四なんだからよ」
「十五って聞いたわ」
イーリスが軽く顔をしかめた。
嘘ついたの、といいたげだ。
「そっかお前宇宙族かー」
「何それ」
「デス・プラネット生まれの人間のこと」
「だから?」
「ヘルメス、イーリスが怖い」
「…」
反応が返ってこないのでキングがはぁ、とため息をついた。
「慰めを期待してんならやめとけよ」
「うぉぉぉいいつからここいたの!?」
「ついさっき。というかお前ら治療の邪魔だ出ていけ」
「了解です」
「えー!」
「どっか行け」
素直に敬礼して出ていくイーリス、いやがって出ていかないゼウス。
あ、そうだと追い出され際にゼウスが言った。
「もうちょっとで星に着くぜ!ウォーターワールドだ!!」
「分かった」
キングが静かに笑った。