☆Friend&ship☆ -序章-
一気にバラけたクルーの騒々しい声を聞きながら、キングは船内に戻る。
折れそうな腕で体中に包帯を巻付けたまま花に水をやるヘルメスがそこにいた。
「大丈夫なのか」
「大丈夫だ」
そうとは言ってもせっせとスプリンクラーを起動させていくヘルメスは辛そうだ。
「ここなら下りてもいいけど大丈夫なのか」
「大丈夫だっていってるだろう。俺はここにいる」
さっきの大丈夫とはだいぶ意味合いが違うことくらい気がついているだろうに、気がつかない振りをするヘルメスにクスリとわらった。
「好きなようにすればいいんだからな」
「分かっている」
キングはいくらむっつりでもそとにくらい行きたいだろうに、それを諦めてしまうヘルメスに素直になれよと言った。
「仕事があるんだが」
「馬鹿いうな」
本当なら行きたいんだろ?
ヘルメスは顔を逸らした。
「行ったら?」
「いい」
らちがあかないのでキングはゼウスを呼び戻した。