☆Friend&ship☆ -序章-

青い海に緑の大地。

アトランティスにいるゼウスはヘルメスにもらったお小遣で買い物をしていた。

どうせ出てこないヘルメスに悲しさを感じながらも何か買ってこうといろいろ覗いている。

「いいとこだな~ここ」

ヘルメス引きずってこればよかった。

そう思いながらふと目に付いたガラス細工。

悪魔と天使が踊っていた。

信じられないような精巧さで表現された喜びに満ちた表情をたたえて抱き合っている。

「こんな顔してくれねーかな…」

ヘルメスにはものすごく笑顔が似合うのに。

いつも無感動を装ってて冷たい。

笑えばいいのに。

駄目だ。

ヘルメスのことを考えるといつも暗くなる。

俺らしくねえと金髪をボサボサにしてゼウスはキャンディーをくわえた。

「ゼウス、聞こえるか」

そんなとき、キングに呼び戻された。
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