狂気の王と永遠の愛(接吻)を・センスイ編収録
その頃……



―――ドォオオンッ!!



「…………」


両腕を女教師に掴まれたキュリオは、悠久の城の真上に放たれた銀と赤の光弾を目にして眉をひそめていた。


(……赤の光弾? ……一体何が……)


「やぁんっきれーっ!!」


「なになに?王宮で祭典でも開かれているのかしら?」


一瞬、キュリオの腕を抱く彼女らの手が緩み…



―――バサァッ……



「……あら? アラン先生っ!?」


「んもぉっ!! やだぁっ! 先生どこ行っちゃったのっ!!」


その隙に大きく地を蹴ったキュリオはあっという間に銀の翼を広げ、大空へと舞い上がっていた。


「アランが悠久の王ってのが本当なんだから、アオイもやっぱり本物の姫なんだよな……」


ただ、反射神経の良いシュウだけがアランの動きに気づき、彼が残した光の軌跡をぼやきながら目で追っているのだった――。

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