重い想われ 降り振られ
真理子はロビーで待つ母親の元に駆け寄った。

「真理子!」

母が真理子に飛びついて「よかった。」と繰り返し言う。

「心配かけてごめんなさい。」

真理子が言うと、母は頭を振った。

「いいの。あなたが悪かった訳じゃないの。私がもっと早くに借金を返せていれば
よかったの。」

真理子は小柄な母を抱きしめた。

母は真理子から離れると、きらきらと瞳を輝かせて訊ねた。

「ちょっと真理子!さっきのイケメンは誰よ。どうゆう関係の人?」

母が訪ねる人は多分、橘の事だろうと真理子は思った。

「橘さんの事かな?」

「母さんびっくりしたわよ。だってあんなイケメンが“真理子はどこだ!”って
支配人に詰め寄ったのを見て、思わず飛びついちゃったわよ。
あぁ~あ、私もあと10歳ほど若かったらねぇ。」

母親のはしゃぎっぷりに、真理子は苦笑いをした。
< 220 / 236 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop