重い想われ 降り振られ
母は仕事に戻り、真理子は二人を旅館のロビーで待った。

ほどなく橘と小林が戻ってくると、真理子は駆け寄った。

「あのぅ・・・何て言ったらいいか。本当にありがとうございました。」

二人に頭を下げると、小林はすぐに真理子を止めた。

「そんな事しないで。僕はいつだって香田さんのためなら助けにくるから。」

小林は「約束したじゃない?」と言って笑った。

「僕は今からまだ事務所で確認作業があるから、香田さんは橘に
庭でも案内してあげてよ。」

小林は支配人を呼び、事務所に向かって行った。

真理子は旅館を出て橘を庭に案内した。

「迎えにくるのが遅くなって悪かったな。」

橘が真理子に謝る。

「いえ、私が勝手に居なくなっただけだから・・・。」

「言っただろ?お前がどこに居ても、必ず見つけ出すって。」

少し照れながら橘は言った。

落ち葉が庭の池に舞い落ちる。
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