重い想われ 降り振られ
旅館の朝は早い。

早朝の暗いうちから母は仕事に出かけた。

真理子は遅番のために、昼すぎに家を出た。

控え室で制服の着物に袖を通す。

ここで働き始めたおかげで、着物も一人で着られるようになった。

普段と変わらず旅館の玄関前の掃除をしていると、遠藤が訪れた。

「香田さん!久しぶりだね。」

「遠藤さん!遠藤さんまで来てたんですか?」

真理子は慌てて振り返った。

「松田もこっち来てるよ。橘から聞いてないの?会社立ち上げるのに
僕らも誘われてね。いやぁ~この一年は本当に大変だったよ。
今晩は松田達も顔見せに来るって言ってたよ。」

遠藤は「それじゃあまた夜にね。」と事務所に消えて行った。

すると今度は真理子の母が、真理子を探しにやってきた。

わざわざ真理子の顔を見にくると「あんたしっかりね!」とガッツポーズをして
去って行った。
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