重い想われ 降り振られ
夕方から降り出した雨は、すでに嵐と化していた。

『うわぁ~これは本格的にやばいかも。』

真理子は持ってきていた傘を差し、激しく降りかかる雨の中に飛び出した。

駅までの道のり信号待ちをしていると、突風に煽られ傘が一瞬で壊れた。

真理子の大柄な体でも、風に負けて飛ばされそうになる。

壊れた傘を諦め、傘を畳み、なんとか走ろうとするのだが
風が酷くてなかなか思うように進めない。

ずぶ濡れになりながら、駅に着いて真理子は更に愕然とした。

“悪天候により、只今運行を停止しています。”

白い大きな紙に書かれて張り出されていた。

表に出てタクシー乗り場を確認すると、ものすごい列ができていた。

『どうしよぉ・・・。』

ポタポタと前髪から垂れる滴を眺めながら、真理子は立ち尽くした。

持っていたハンカチで髪や服を拭いてみたが
すぐに絞れるほど水を含んでしまった。

『歩いて帰るには無理だし、あの列に並ぶしかないのかも。』
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