重い想われ 降り振られ
「よぉ。」

橘が真理子に声を掛ける。

「お、おはようございます。シャワーを浴びてきますね。」

なんとか平常心を装いつつ、真理子は洗面所に逃げた。

残された橘は、寝ぼけた頭を覚醒しつつ起き上がった。

備え付けのインスタントコーヒーを入れながら、昨夜の事を思い出していた。

真理子の柔らかな肌の感触や、シーツの上で揺れる長い髪を・・・。

そして気が付く。

何人もの女性と関わりあってきた橘が、こんな風に昨夜の行為を思い返すなど
今までには無かった事だった。

昨夜の事が何故か愛おしく、懐かしく思える。

もう一度触れたいとさえ思えるのは、何故なんだろうと思った。

女性との関係など、一期一会だと考えていた橘には新鮮な感覚だった。

真理子が乾かした服に着替え、洗面所から出てくる。

少し余所余所しさを感じた橘は、真理子の肩を引き寄せて腕に抱いた。

強引に真理子の顔を引き寄せ、キスをした。
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