重い想われ 降り振られ
「ここはちょっと、行くの辞めませんか?」

帰りに寄ったのは、最近できたばかりで話題のショッピングモール。

人の多い所はにがての真理子は、さすがに躊躇した。

自分と小林が歩いている姿を、大勢の目に晒すという事は、
小林の品位を落とす行為になると恐れての事だ。

だが小林は真理子の考えなど知らずに「大丈夫大丈夫。」と手を引くのだった。

手をつないだまま、小林は平然とモール内に入っていく。

すると、ある店の前で足を止めた。

「ここの店の商品は、ほとんどが海外から仕入れているものばかりなんだ。
だからたぶん香田さんに似合う物も、沢山あると思うんだよね。」

真理子が断るよりも先に、小林は店の扉を開けた。

「いらっしゃいませ。」

入ると同時に、店員達が頭を下げて挨拶する。

「この子に似合いそうな服を、少し選んでもらえないかな?」

小林が女性店員の一人に告げると、店員は「かしこまりました。」と
にこやかに対応した。
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