重い想われ 降り振られ
小林は店員から紙袋を受け取ると、会計を済ませ店を出た。

恥かしがって店を出ようとしない真理子の手を取り、どんどん歩いて行く。

小林の希望で本屋に立ち寄り、車でアパートまで送ってもらった。

車を降りようとドアに手を掛けた時だった、小林が真理子の肩を引き寄せた。

真理子の顎に手を掛け、キスをする。

「これくらいはいいよね。」

小林は悪戯気に微笑んだ。

真理子は顔を赤らめながら、礼を言うと小林の車を降りた。

小林の車を見送り、真理子は少しぼっーっとその場に立ち尽くした。

真理子は実感する。

小林は本当に真理子に好意を持っているのかもしれないと。

未だに顔の火照りが収まらない。

唇に残る余韻に浸りながら、自分の部屋に向かった。

階段を上がり二階の通路に出ると、橘が立っていた。

真理子の部屋の前。

扉に背を向け、アパートの入口付近を眺めていた。
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