夫婦ですが何か?
そして自らも求めるように彼の背中に手を回し存在を確かめ安堵。
そして急に焦燥感働き衝動的に言葉が零れるのだ。
「・・・・・役立たずで・・・すみません」
「・・・・・役立たず?俺しっかり満たされてますよ~?」
「・・・・・・・・1度で?」
「むしろ・・・今までが平均より回数多かったんじゃあないでしょうか?」
フッと軽く声を響かせての苦笑い。
そんな表情で私を覗き込むと頬をくすぐる。
いつだって綺麗なグリーンアイが問題ないと優しく告げて、何も変わらないというようにニッと無邪気に微笑んでくる。
その瞬間に泣きたくなるほど彼の愛情を感じて、そしてより自分の腑抜けた現状に罪悪感を感じてしまう。
それでも・・・・・彼から感じる愛情を失うのは恐いという恐怖心。
のそりとその身を起こし柔らかく彼をベッドに押し付け上に乗る。
そのままゆっくりと唇を重ねて甘えるように啄み、指先で欲の確認。
「フッ・・・寝るんじゃなかったの?」
「・・・・・気分が変わりました」
「・・・・・シてくれるの?」
「あなたの行為だけでは不満足なので」
「酷っ、あんだけ乱れて気持ちよさそうにエッチな声出しておいて!?」
「・・・・・・演技です」
「ねぇ、それ・・・リアルに今後に影響する。毎回疑っちゃうじゃん・・・・」
「もう、黙って・・・・」
余計なおしゃべりはいい。
そう断ち切ってすぐに身を重ねる。
すぐに再開できるほど状態はさっきの終了時のまま維持されていて、一度はその気がないと拒んだくせにこうして重なれば欲に忠実な自分の体。
「・っ・・・・」
「すっごい・・・気持ちよさそうな顔、挿れただけなのに」
「・・・・・・・演技かどうか・・・・見抜いてダーリン」
その言葉に彼が困ったように笑ったのが合図。
その後は・・・・、
ずるずる・・・・・。
愛欲のままに。
そうして、感情的に高まって気持ちいいと感じた行為の後ほど言いようのない虚無感や喪失感に満たされるのに。
何の為に欲に塗れたのだろうと。
でも、・・・・あなたの存在に依存。
その姿や優しさは自分だけ得られる特別な物だと、
私だからこそ得られるのだと傲り。
体で必死につなぎ止めようとする私を馬鹿だと呆れないで。