勝手にチャンネル替えんなよ。

こいつに出会ってからもう18年。やっぱり弟がいたっていいことなんかひとつも無いと、こんなときはいつも思う。

喧嘩は腐るほどしてきた。そのどれもがしょうもないことだ。たとえばこんなふうに、チャンネルを替えたとか、替えられたとか。


気に入らないところを挙げ始めたらキリがない。ちょっとしたことが鼻につく。もうむかついて仕方ない。

でも、きょうだいって、そういうもんだと思う。


「ちょっとお。会って早々、喧嘩なんかしないでよー?」


キッチンから飛んできたお母さんの声に、燿が「だってこいつが」と答えた。いやいや、元はと言えばあんたがチャンネル替えるからでしょうが!


生意気な弟。それでも世界でたったひとりの弟。
鬱陶しいだけの弟。それでもやっぱり、たったひとりの弟。


きっとこれからも末永く、こうして喧嘩をしていくんだろう。

多大なる腹立たしさと鬱陶しさ、それから微量の愛情をぶつけ合いながら。


「あーもう、ほんっとうざい」

「は? こっちの台詞だっつーの」


やっぱり今夜も、うちの弟は最高にむかつく。




【勝手にチャンネル替えんなよ。】おわり
< 201 / 201 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:83

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

さみしがりやのホリデイ
夢雨/著

総文字数/126,567

その他183ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
退屈な毎日は退屈なまま そういうものだって思ってた 世界はたったひとつの色で 塗りつぶされてるって思ってた 「おまえは、美しい生き物だな」 世界は変わる いとも簡単に その低い声の先で 色を 形を こんなにも いとおしく変えてゆく 14/8/21~16/8/2
きみの夏へかける
夢雨/著

総文字数/160,756

青春・友情188ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
走った、跳んだ、転んだ そして、笑った   o○☆*゜ 2年3組、野球部、 ショートのリードオフマン きみは、ダイヤモンドの上を 誰より楽しげに走りまわる   o○☆*゜ 夏の日差しを浴びながら 大丈夫だと言ったきみに 惹かれて 手を、引かれて 視界を覆う濁ったすべては 限りない透明へと変わってゆく 17/8/20~18/1/28
それから、すこしのビター
夢雨/著

総文字数/175,187

その他226ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「みっちゃんだけは、消えないでいて」 彼女の物語のなかで輝き続ける 無敵のヒーローでありたかった 「みっちゃん、大好きだよ」 いつも真冬のように凍えている その指先を温めてやりたかった 「ねえ、みっちゃんは?」 言えばよかった たとえ 正解を答えられなくても すべてが壊れたとしても きみが消えて、なくなってしまう前に 16/10/3~17/7/18

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop