ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
堂浦さんがメールを打っていたのは、私に迫る前だ。
ということは、
全て初めから、演技だったということで……。
「堂浦さんっ、酷すぎます!
本当に襲われるかと思ったのに!」
三度、怒りMAXの私に、
堂浦さんは通常のチャラ男モードに戻って、笑いながら言う。
「え〜何で怒るの〜?
襲われなくて良かったじゃん。
あ〜そっかぁ。本当は襲って欲しくてがっかりしちゃったのかぁ」
「断じて違いますっ!」
私の怒りのパンチをヒラリとかわし、堂浦さんは逃げていく。
廊下に出て、ドアノブに手をかけ、
閉める前にこんな言葉を残した。
「夏美ちゃんをイイ女に変えてみたかったけど、その役目は久遠に任せるよ。
俺っち、まだまだ遊びたい盛りだし、結婚迫られても困るから。
ちゃお!」