ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
ムッとして、言い返す。
「私のどこが、襲いやすいというのですか!
私はしっかりした大人です!
危なっかしくもないし、隙なんて見せたことは一度もありません!」
きっぱりと言い放ち、久遠さんの注意を全否定すると、
チッと舌打ちされた。
「無自覚なのは、タチが悪いな……」
そんな呟きも聞こえた。
彼は人差し指をクイクイと曲げて、私を呼び寄せる。
呼ばれたので、反射的に近くに寄った。
何も疑わず、一歩二歩。
久遠さんの射程圏内に入ったところで、急に視界が傾いた。
びっくりして、声が出せなかった。
私の上半身は一瞬にして、長机の上に仰向けに倒されていた。
倒したのは、もちろん久遠さん。
痛くはないが、動けなかった。
彼の左腕は私の腰に回され、
右手は、私の両手首を頭上にまとめて、がっちりホールド。