ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
サラダを食べている久遠さんが、
ニンジンを指でつまみ上げた。
「ミカコにも食わせてやるか」
そう言って、ニンジン持ってケージに向かう。
「おい、ミカコ」
平和に呼びかけた直後に、
なぜか久遠さんが慌て始めた。
「ミカコ!? どこ行った!?」
ケージを揺すり、ミカコさんを探している。
姿が見えない時は、おがくずの中に潜って寝ているのでは?
そう思ったが、違った。
ケージのフタが開いていた。
それは、今久遠さんが開けたのではなく、最初から開いていたものだ。
あれ?と自分の行動を振り返る。
さっきミカコさんを出してお悩み相談し、それからケージに戻して……
その後、フタを閉めた記憶がなかった。
つまり、私がうっかりフタを閉め忘れたせいで、
ミカコさんが脱走したということみたい……