ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
「ご、ごめんなさいっ!」
慌てて謝り、立ち上がる。
脱走したと言っても、きっとリビングにいるはず。
そう考えて、床を見ながら探し始めた。
すると、
「夏美っ!
早くベランダの窓閉めろ!」
久遠さんに怒鳴られた。
リビングからベランダに繋がるガラス窓が、開けっ放しになっていた。
それも、私のせい。
さっき洗濯物を干したから。
ガラス窓だけではなく、編み戸も数センチ開いたままで、
人間は通れなくても、ミカコさんなら楽に通れてしまいそう。
慌てて窓を閉めた。
それから二人で、部屋中を探し回った。
綺麗に片付けたばかりのリビングが、
ミカコさんを捜索するためにグチャグチャになる。
あっちこちひっくり返しても見つからなくて、探す範囲を広げた。
久遠さんの寝室と、私が借りている部屋。
トイレや洗面所、あらゆる場所を探したのに、ミカコさんは見つからない。