ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
 


久遠さんの後を追い、

マンションの外に出て、ぐるりとベランダ側に回った。



隣のマンションの壁との間は、4メートルほどの土の地面。


そこに背丈の低い庭木が植えられていた。



久遠さんは、排水管が途切れた周辺を探している。



大きな背中を丸めて、地面に膝を付き……

その必死な姿に、胸がしめつけられた。



“ごめんなさい”なんて言葉では、済まされないことをしてしまった。



ミカコさんはきっと、久遠さんにとって家族のような存在なのだろう。



もし見つからなかったら、彼はどうなってしまうことか。



早く見つけないと……。




マンションのベランダ側の地面に這いつくばり、二人で一時間ほど捜索した。



それでも見つからずに探す範囲を広げて、

隣のマンションの敷地内も探してみた。



側溝や転がっている植木鉢の中、薄汚れたお菓子の袋の中も、

ハムスターが隠れそうな場所を隈なく探したのに、ミカコさんは見つからない。



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