ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
「ミカコさーん、どこにいるのー?
お願い、出てきてよー」
泣きたい気持ちで、マンション近くの住宅地を歩き回っていると、
袋小路の突き当たりに、一軒の明かりの灯っていない民家を見つけた。
周囲の家はみな、窓に明かりを灯しているのに、そこだけ真っ暗。
それに、少しの興味を引かれた。
近付くと、鍵の壊れた門の横に表札が外された跡があった。
どうやらここは、空き家みたい。
鉄の門に手をかけ中を覗く。
玄関先には、瀬戸物の人形が並んでいた。
よく庭飾りで見かける、小人の人形だ。
引越しの時に連れていってもらえなかったのか、
倒れてひび割れ、可哀相な見た目になっていた。
そんな小人の置物に混ざり、
ハムスターの置物もあった。
ハムスターは、瀬戸物ではなくプラスチック製。
昔流行ったアニメのキャラクターだ。