ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
その手をやんわりと外して、
デートをお断りする。
彼氏は欲しいし、選り好みできるような女じゃないけど、
いい加減な人は無理。
付き合うなら、結婚前提で。
真面目で優しくて、将来良き夫になりそうな人じゃないと嫌だ。
「おわびは、このビールでいいですよ。
私と同じ名前の夏美ちゃん。
一杯いただきますね?」
グラスを手に取り、卓上サーバーからビールを注いだ。
淡い琥珀色の液体に、夏の爽やかさを感じた。
グラスに8割注ぐと、あとの2割は、クリーミーな泡で満たす。
さっきまで変な緊張を味わったせいで、喉が渇いていた。
「いただきます!」
一気にグラスの半分を、ゴクゴクと飲んだ。