ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
良かったと脱力して、その場にへたりこんだ。
全力を出し切った細腕は、まだ小刻みに震えて、回復に時間がかかりそう。
久遠さんは土下座くんを力づくで立たせると、
襟首を掴み、右腕一本で彼の体を持ち上げた。
土下座くんが「ゔ……」と苦しげにもがいている。
そのままの姿勢をキープして、
久遠さんが三国主任を呼び付けた。
「おい、三国!
電話の説明と、全然状況が違うじゃないか!」
ドア陰に隠れていた三国主任が、
お腹を揺すってポテポテと近づいてきて、
こう言った。
「え、違うの?
田丸さんが、土下座を強要していたんじゃないのかい?」
は?と聞き返したくなる二人のやり取りは、
詳しく説明してもらうと、こんな内容だった。