ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
男二人のやり取りを説明してもらった後、
私は金魚みたいに口をパクパクさせていた。
言いたいことは山ほどあるけど、
何から突っ込んでいいのか分からない。
土下座くんの頭を、必死に持ち上げていた私の姿が、
逆に土下座をさせているように見えたなんて、驚きだ。
嬉しそうな顔も確かに見せたが、
それは三国主任が助けてくれると期待したから。
決して、嬉々としてSMプレイに励む女王様ではないのに。
どこをどうとったら、そんな風に見えるのよ!
そう、心の中で叫ぶしかなかった。
三国主任は頭をポリポリ掻いて、
「アハハ、勘違いしてゴメンね、アハハ……」
笑ってごまかそうとしている。
久遠さんは土下座くんの襟首を掴み上げたまま、
呆れた目で三国主任と、なぜか私まで同列に見ていた。