ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
久遠さんは腕組みしながら私を見下ろし、真面目に説明していた。
私を疑っているわけじゃないが、
信じてもいない。
その理由は“人間だから”と言いきった。
何じゃそりゃ!
と心で叫ぶ。
それなら私は、一体どうすればいいのか?
100%信じてもらうには、ハムスターになるしかないのか?
情報狙いで困った経験は、今回が初めてではない。
あちこちのチームから探りを入れられ、それを頑張ってかわしてきた。
もちろん久遠さんのために!
その努力を知っても尚、信じないと言われたら、
私のご機嫌は急降下して当然だ。
頬っぺたを膨らませて、久遠さんに背を向けた。
すると、私の肩に手をかけ彼が聞く。
「おい、また怒ってんのか?」
その手を思いっ切り払い落として、再び彼に向き直る。