ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
「“また”って何ですか!
怒るのは当たり前でしょう?
人がこんなに頑張っているのに、
まだ疑うなんて……」
「お前を疑っているわけじゃないと、前置き入れただろ?
人間だから完全に信じるのは不可能だと言ったまでだ」
「同じことです!
私イコール人間!結局最後まで疑うんじゃないですか!」
「落ち着け。冷静さを欠いた議論は無意味だ」
「私から落ち着きを奪うのは、いつだって久遠さんですよ!!」
ギャーギャー文句を言う私と、
不機嫌な顔して、冷静に反論する彼。
三国主任はオロオロし、
堂浦さんはなぜかニヤニヤしながら、私達の仲裁に入ってきた。
「大丈夫、大丈夫〜。
夏美ちゃんは、何があっても裏切ったりしないから。
久遠は、人間だから信じられないと言うけどさ、
人間だから……いや、胸きゅんラブ中の女の子だから、絶対に信じられるんだよ〜
お分かり?」
ウインク付きで説明されても、
全く分からない。
久遠さんは何を言っているのだと呆れた目で、堂浦さんを見ている。
それは私も同じ。
信じてくれるのは嬉しいけど、
その理由が、胸きゅんラブ中の女の子だから?
チャラ男的な理由を掲げられても、納得どころか、意味さえ分からない。