ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
不意打ちの上、二人がかりで攻撃されては、
いくら久遠さんでも転ぶしかない。
前にバッタリと倒れ込む。
ちょうどその位置には、謀ったように私がいて……
一歩も動けずに巻き込まれ、
久遠さんに押し倒される形で床に転がった。
驚きすぎて、悲鳴さえ上げられなかった。
何がどうなったのか、一つ一つ考えようとする。
倒された衝撃は感じたけど、
痛みはない。
怪我もしていない。
それは、後頭部と背中に白衣の腕が回され、守られているせいだ。
久遠さんだけが痛みを感じて、
私の上で「ぐっ……」と低く呻いていた。
体の上に、彼の重みを感じる。
すぐ目の前に喉仏があり、コクリと上下する動きに、
男性を強く感じてドキドキした。