ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
私をすっぽりと包んでしまう、
大きな体と長い手足。
密着していると白衣越しに筋肉の盛り上がりも感じて、
更に心拍数が上昇する。
「夏美、大丈夫か?」
私を心配する声が、温かい吐息と共に髪の中に潜り込んだ。
その声がいつもより艶っぽく聞こえるのは、近すぎる体の距離のせいだろうか……。
冷たいコンクリートの床の上で、彼の体温も息遣いも、何もかもに胸が高鳴り、
それと同時に、うっとりするような心地好さも感じていた。
「大丈夫です……」
久遠さんだけに聞こえる小声で返事をして、
両手を白衣の背中に回した。
意図した行動ではなく、自然と手が動いていた。
久遠さんの腕の中は居心地が良すぎて、
ずっとこのまま、こうしていたい……
そう思ってしまった。