ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
そのアルコール耐性能力を凄いと思うと同時に、
悔しくもなる。
私だってビール会社の社員なのに、このくらいで倒れると思われては心外だ。
掴まれている手と反対の手で、素早くグラスを奪い取り、
一気に飲み干した。
「夏美!」
久遠さんに怒られた。
「だ、大丈夫かい?」
三国主任に心配された。
「あらら〜。夏美ちゃん出来上がっちゃったね。
これが普通の飲み会なら、お持ち帰りのチャンスなんだけどな〜」
堂浦さんがチャラ男的な意見を述べた時、
視界がグニャリと歪んだ。
「ころくらい……らいじょーぶれす……」
その言葉を最後に、視界はブラックアウト。
抗いようのない強烈な睡魔に襲われた。
椅子から滑り落ちそうな体が、
ふわりと持ち上げられた。
瞼が重くて目を開けられない。
自分の体がどうなっているのか分からない。
でも心地好くて、ふにゃっと笑みがこぼれた。
「ったく……」
呆れたような声を耳にした後は、
意識が完全に夢の中に落ちて行った――――