ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
見下ろす視線も言葉も冷たくて、
冗談で言っている雰囲気は微塵もなかった。
これは夢だと自覚しているはずなのに、胸が痛くて仕方ない。
慌てて立ち上がり、訴える。
「追い出さないで下さい!
私、もう少しここに住みたいんです!
久遠さんと一緒にいたいんです!
お願いです、ここに置いて下さい!」
必死に声を上げ、彼の気持ちを動かそうとしたが、
無駄だった。
彼はもう、私の声を聞かないし、
見もしなかった。
ミカコさんだけに優しい笑顔を向け、
私には背を向ける。
そのまま二人は家の中に入り、
ドアが閉ざされた。
ドアノブを回しても、押しても引いてもドアは開かない。
私の目に、涙が溜まっていた。
「開けて……開けて下さい、久遠さーーんっ!」
―――……