ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
彼はあくびをして起き上がり、
ベッドから下りた。
小さな冷蔵庫にスポーツ飲料のペットボトルを取りに行き、
わざわざキャップを外してから、
私に渡してくれた。
まだ驚きの中にいたけれど、喉も渇いていたのでそれに口をつける。
久遠さんはベッドの縁に腰を下ろして長い足を組み、
簡単に状況を説明してくれた。
それによると、どうやら私は数十回のテイスティングですっかり酔っ払い、
会場で眠り込むという失態をやらかしたそうだ。
ここは、会場と同じホテルの客室。
私を休ませるために、わざわざ部屋を取ってくれたみたい。
そして今は……
壁掛け時計を見ると、時刻は午後5時を回っていた。
窓から夕日が差し込み、ベッドにオレンジ色の帯が伸びていた。
一緒に寝ていた驚きなど瞬時に吹き飛び、
別のことに慌て始めた。
「プレゼン大会は? 新ビール夏美は?
どどどどーなったんですか!?」