ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
 


堂浦さんは顔の前で両手を合わせて、弁解を始める。




「ごめん! 勝利にテンション上がって口走っただけだから、聞き流して!

全ては俺ッチの戯れ事。

硬派な久遠がそんなこと考えるわけないって、夏美ちゃんなら分かるよね?ね?」




分からない。

分かりたくもない。



どうせ、その言い訳も嘘なんでしょ?



『夏美ちゃんて、真っすぐで騙されやすい……』

私はそんな女らしいから。



言い訳されても逆効果。



どこまで人を馬鹿にすれば気が済むのかと、

せっかく押し止めた怒りがグラグラ煮え立ち、また溢れそうになる。



私は大人だと言い聞かせ、唇を噛みしめ怒りに堪えていた。



最後に口を開いたのは、久遠さん。



二人と同様に陳腐な言い訳をする気かと、思いっ切り睨み上げていた。



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