ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
ミカコさんのケージで、カタカタ音がした。
近寄ると、ミカコさんが珍しく
「出して」とアピールしていた。
出口の蓋を鼻先でつんつんして、
いつもならすぐに出してあげたくなる愛らしい仕草にも、
今日は「ごめんね」と断った。
「もうすぐ久遠さんが帰ってくるから、久遠さんに出してもらってね……」
そのまま私は自分の部屋へ。
シャワーを浴びる気力もなく、
寝支度をしてそのままベットに潜り込んだ。
久遠さんが帰宅したのは、それから30分後のことだった。
玄関で物音がした後、リビングのドアが開けられた音がした。
それから足音が廊下に戻り、私の部屋の前で止まった。
「夏美、開けていいか?」
いいと言っていないのに、ドアが開けられた。
真っ暗だった部屋に、明かりがつけられた。