ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
 


ミカコさんのケージで、カタカタ音がした。



近寄ると、ミカコさんが珍しく
「出して」とアピールしていた。



出口の蓋を鼻先でつんつんして、

いつもならすぐに出してあげたくなる愛らしい仕草にも、

今日は「ごめんね」と断った。




「もうすぐ久遠さんが帰ってくるから、久遠さんに出してもらってね……」




そのまま私は自分の部屋へ。



シャワーを浴びる気力もなく、
寝支度をしてそのままベットに潜り込んだ。




久遠さんが帰宅したのは、それから30分後のことだった。



玄関で物音がした後、リビングのドアが開けられた音がした。



それから足音が廊下に戻り、私の部屋の前で止まった。



「夏美、開けていいか?」



いいと言っていないのに、ドアが開けられた。



真っ暗だった部屋に、明かりがつけられた。



< 243 / 453 >

この作品をシェア

pagetop