ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
攻め立てる彼の舌と唇は、やがて私の唇から離れて移動を始めた。
顎から首。首から鎖骨。
さらにその下へと……。
私の肌を這うように移動しながら、「言え」と尚も説明を要求してくる。
言いたくなかった。
私が勝手に傷つき、子供みたいにすねているだけの理由だから、言いたくない。
それなのに、パジャマのボタンを一つ二つと外され、
唇がどんどん深く潜って行こうとするから、思わず叫ぶように言ってしまった。
「やめてよっ!
付き合っていないと言ったくせに……
恋人なんかじゃないのに……
こんなことされたら、期待してしまうじゃないですかっ!!」
白状した途端に、攻撃はピタリと止んだ。
唇が肌から離れ、二人の距離も開いた。
「それが理由か」と呟く久遠さんは、まだ唾液に濡れる唇を親指で拭っていた。