ぎゅっと抱きしめて~会議室から始まる恋~
たっぷり時間をあけてから、久遠さんは再び口を開いた。
「考えても分からない。
俺に惚れているのは知っているが、そこから先、お前がどうしたいのか分からない。
教えてくれ。
お前は何を望む?
誰かに関係性を問われた時に、付き合っていると答えて欲しいのか?
俺の恋人になりたいのか?」
言われた直後に顔が真っ赤になり、目を見開く私。
赤くなったのは、恥ずかしいというより逆上してしまったから。
それはズルイ質問だ。
私は結婚してくれない人と付き合うつもりはないが、
仮に頷いたとして、どうなるというのか?
私はただの同居人。
私のことを好きでも何でもない久遠さんは、きっとこう答える。
『お前の期待には応えられない』と。
フルことが前提で、私に告白させようとする久遠さんはズルイと思った。